【あらすじ】
日本初の多目的宇宙ステーション『白鳳』で発生した不可解な出来事。無重力の空間をゆっくりと漂う死体は、まるで数十メートルの高さから”墜落”したかのようだった。はたして、事故なのか、事件なのか? 従妹の森鷹舞衣の”計略”により、偽装結婚をして『白鳳』見学に訪れていた若き研究者・鷲見崎凌は、謎の真相を探るため、行動を開始することになる……。
斬新な設定とスマートな論理的解決で、各界に衝撃を与えた本格SFミステリー。第1回日本SF新人賞受賞作品がついに文庫化!!(出版社紹介文より)
本作は、2000年6月に刊行された同名の単行本を文庫化したものです。登場人物のネーミングなどに多少の懐かしさを感じますが、もともと目新しい技術などを描いたSFってわけではないので、今でも普通のミステリとして楽しんでいただけるのではないかと思います。
イラストを担当してくださったのは、中臣亮さん。レトロ未来な雰囲気を醸し出しつつ、今風に仕上がってて文句なくカッコイイです。あと、巻末で福井健太さんに解説をつけていただきました。ありがとうございました。
ちなみにこちらが加藤直之さんに描いていただいた初刊本の表紙です。うーん、こっちもカッコイイ。
]]>【あらすじ】
内と外、光と影、信仰と理性、奇蹟と錬金術、そして愛と憎しみが驚異の二重螺旋をえがいてここに新たな歴史ミステリーのDNAを誕生させた。
読者よ、三雲岳斗の華麗な才能に酔え!(山田正紀先生紹介文より)
2002年から2003年にかけて雑誌『小説推理』に連載された同名の作品に、加筆修正を加えたものです。ルネサンス期のイタリアを舞台にした作品ということで見た目にも重厚なイメージがありますが、内容的にはやや変則的な館モノのミステリだと思います。
主役はレオナルド・ダ・ヴィンチ作の肖像画『白貂を抱く貴婦人』のモデルといわれている少女チェチリア・ガッレリーニで、単純に彼女を描きたかっただけという噂も……。歴史に埋もれた人物ですが、ものすごく魅力的なキャラクターで書いてて楽しかったです。
本作では尊敬する山田正紀先生にオビの推薦文を書いていただきました。この場を借りてお礼を申しあげます。
【追記(2006.7.10)】
文庫版も発売されました。
【あらすじ】
消えた肖像画、失踪した令嬢、石像の右腕だけが後に残され、遺言書を入れた風変わりな箱は持ち去られた——異能の
この作品は、2003年から2005年にかけて雑誌『ジャーロ』に掲載された、連作短編をまとめた短編集です。特に本作に収録されている『二つの鍵』という作品は、日本推理作家協会編の『2005ザ・ベストミステリーズ推理小説年鑑』(講談社刊)、本格ミステリ作家クラブ編の『本格ミステリ05』(講談社ノベルス)にも収録されるなどの光栄な評価をいただきました。
舞台になっているのは15世紀のミラノなのですが、なぜかこの時代にはまだ存在しないはずの地球儀や天体望遠鏡などが描かれていて、そのことが「最大のミステリーではないのか?」とも噂されています。しかしこの表紙の雰囲気とか大好きなのです。個人的にものすごく気に入っている短編集です。